こころん

旧 りんごの小部屋

0.999…=1

数学は好きだったけど、学生時代微分で躓いて文系になりました。

それ以降、心にずっとそのモヤモヤが残っているようで、

今更何の役にも立たないのに微分に関する本を読むのが

社会人になってからのライフワークの1つになっています。

 

学生時代に躓いた所は「極限」の考え方です。

極限値には限りなく近づくけれど決して到達しない。

y = x^2(xの2乗) をxで微分するとき差分Δにおける傾きを求めます。

dy/dx = [(x + Δ)^2 - x^2] ÷ Δ =(2Δx + Δ^2)÷Δ =2x + Δ = 2x

このとき分母のΔは、0に限りなく近づくけれど「0でない」から

約分できて2x+Δになったのに、一方でΔは0とおいて答えは2x。

計算過程で Δ≠0 としていながら、

最後に Δ=0 とする二枚舌が納得いかなかったのです。

勿論学生当時は「そういうもんだ」と飲み込んで先へ進みました。

でもそれがずっと引っかかっていたのです。

 

大学に入って有名な「ε-Δ論法」を学べば解決すると思ってたけれど

御多聞に漏れず難解過ぎて挫折しました。

 

「0.999…=1」というのは数学的にあまりに自明のようです。

複数の証明があり、僕もその通りだと思います。

「…」が付くと「=」は「極限値を指す」と読み替えるのが暗黙の了解です。

0.9 + 0.09 + 0.009 + 0.0009 + …は限りなく1に近づいていく。

「限りなく1に近づいていく」を「… =1」と表現しています。

でも「1」にぴたり一致することは決してないのに

本当に値として「1」と扱っていいのだろうか・・・。

 

0.999…のキモは9無限に続いていくところです。

つまり9以外の数字がくることはないし、9で終わることもない。

だから1との差は0.000…で0以外の数字も永遠に来ない。

即ち1との差はどんな正の数より小さい無限小Δであり、

つまりΔ = 0 なんだと言い切ってしまうわけです。

 

極限の話でよく登場する切り取りの図形。

1/2 + 1/4 + 1/8 + … は無限に1に近づいていきます。

9/10 + 9/100 + 9/1000 + … も同様に1に収束します。

それでも上の図を見て思います。

収束するけど「1」に一致するには最後の1ピースが必要なのではないかと。

1 = 9/10 + 1/10 という等式を考える。

  最後の1/10を 9/100 + 1/100 と分解しよう。

1 = 9/10 + 9/100 + 1/100

  また最後の1/100を 9/1000 + 1/1000 と分解しよう。

1 = 9/10 + 9/100 + 9/1000 + 1/1000

  また最後の1/1000を 9/10000 + 1/10000 と分解しよう。

1 = 9/10 + 9/100 + 9/1000 + 9/10000 + 1/10000

こう続けていくと最後の項「 (1/10)^n 」の一つ手前までは無限に9を続けることができる。

 

つまり等式を崩さず「 1 = 」である為には

「9」が続いていくのは「最後の一つ手前まで」のはずなのです。

項数nが無限に大きな数になれば最後の一つ手前まではどんどん長くなるけど、

最後の項(1/10)^nが加わって初めてぴたり「1」になるのではなかろうか。

もし「0.999…」の「…」の部分に9以外の数字が出てこないとすると、

それでは「1」より(1/10)^nだけ少ない数になるのではなかろうか。

どうしても文系脳ではそう思ってしまうんです。

 

極限の考え方では(1/10)^nは「n→∞」のとき

限りなく0に近づいていくので「無視」しています。

最後の1ピースは無視していいというのです。

 

1 = 9/10 + 9/100 + 9/1000 + 9/10000 + 1/10000

ここまでは左右が「等式」なのに、

最後の「1/100…0」を「9/1000…0 + 1/10000…0」と無限回分解していくと

最後の余剰項「(1/10)^n」が無視される。

「無限」なのは分解する「回数」で、級数の最後は「9/1000…0」でない数なのに。

 

おそらくはここに論理の飛躍があります。

最終項を無限回分解したときに「等式」や「=」の意味が変わってしまう。

「無限」の扱いに慎重にならないといけないのです。

そう感じるのですが、うまく理解ができません。

 

最後を無視して一致する極限は「近似値」なのか「ぴたり値」なのか。

極限値=限りなく近づいていく先の値」という定義は受け入れるとして

その近づいていく実体なる「0.999…」はどんな量なんだろう。

絶対到達しない極限値との差である無限小Δは0なのか0でないのか。

 

そんな疑問を二十年以上持っています。

 

「0.999…=1」に決まっているじゃないか。

実数はみっしり詰まっていて1に「限りなく近い隣の数」なんてない、

だからそれ即ち「1」に決まっている、って話で終わりなんですが…。