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こころん

旧 りんごの小部屋

時間薬

日記
香山リカのココロの万華鏡:高齢者も若者も大変 /東京- 毎日jp(毎日新聞)
「なんとかしてあげたい」と思うが、自分にはどうにもできない。無力感にさいなまれ、結局は「見なかったことにしよう」と切り捨ててしまう。

今更何を言っているのか。
精神科医にできることが殆どないことを患者は皆知ってます。
向精神薬などたいてい副作用>作用で意味がない。
彼らの概ね成功した人生経験の中から患者の心に響く言葉などない。
彼らにできることは『診断書』なる書面に判を押して
患者に社会的支援を受けさせることだけです。

心の病には様々な背景があって十人十色。
僕は過労で倒れた口なのでそのパターンしか知りません。
そのごくごく狭い経験で学んだことはこんなことです。


最終的には『時間薬』しかない。


しかしながら患者はまず「焦る」のでゆっくり休めない。
家族の攻撃や薬害にも苦しむのでさらに休めない。
『社会復帰しなくちゃ』でなく『社会復帰したい』と
心から思えるようになるのに膨大な時間がかかる。
「半年くらい休めば大丈夫かな」と思ってる人は
控えめに見積もってもその4倍の2年はかかる。
「1年くらい休めば・・・」なら4年以上。
それも焦らずに「ちゃんと」休めての期間計算です。
でもその中で失職の危機、生活破綻の危機が迫ってくる。

例えば大きな会社に勤めていて休職制度があったり
働かないでも当面生きていけるカネや不労所得があったり
面倒見てくれる実家にそのような財力があったり
そうして患者は休む時間を稼ぐんだけれども、
大抵の患者は時間薬が効いてくる時間を稼げません。
休職期間は終わり、会社を首になり、金が底をつき
面倒見てくれた親が倒れていく・・・。

だから焦りの中で時間薬が効いてこないまま
無理やり社会復帰してさらにボロボロになっていきます。


精神科医にできるのは「病気に認定する」ことで
休職制度や公費助成などの社会的支援を引き出し
患者に僅かでも休む時間を稼がせることだけ。
それなのに香山氏をはじめ多くの精神科医の
『専門家でござい』という態度には実に失望させられます。
精神科専門療法(=330点)ってどんな専門性があったか。

ですが、そうやって精神科医を責めるばかりでなく
実はそれは患者自身も知るべきことなんです。
精神科医に答えを求めている間は何も進展しません。
精神科医は「時間稼ぎに利用する」だけで
結局は自分との対話・対決ができるかにかかっています。


ざっくりと言えば心の病は『環境問題』。
毒親やいじめ、奴隷労働・・・様々な環境で人は病んでいく。

地上の環境で苦しむ両生類が取りうる手段は2つ。
過酷な地上に適応するように『自分を変える』。
過酷な地上ではなく水中へ向かい『環境を変える』。
どちらもできなければ悲しいかな『淘汰』されていく・・・。
自然に慈悲なんてない。

でも人間は良きつけ悪しきにつけ"社会"を築いているから
置かれた環境に適応できずとも『即死』はしません。
そして少しは環境を変えたり自分を変えたりしながら
なんとか生き延びる余地が他の生物よりはあるのが救い。

ただ『即死』しないだけでその苛酷な環境に適応できねば
やはり徐々に死んでいくしかないのが厳しい自然の現実・・・。


首都圏ではほぼ毎日どこかで飛び込み自殺があります。
容赦なく凄絶な淘汰が行われていく・・・。
本当に厳しい時代です。